2017年10月3日火曜日

重力波天文学の未来

2017年のノーベル物理学賞の受賞者は、重力波の初観測に貢献したレイナー・ワイス氏、バリー・バリッシュ氏、キップ・ソーン氏の 3名に決まりました。

重力波は一般相対性理論を構築したアインシュタインが予言したものです。アインシュタインは、時間と空間が互いに関連したものであると考え、「時空」という考え方を生み出しました。さらに、質量をもった物質は時空の構造をゆがませると考えました。その質量が十分に大きければ、そのゆがみはほかの物体を引きつける力、つまり重力の原因となるのではないかと考えたのです。そしてアインシュタインは、時空が伸びたり縮んだりして生じたゆがみが波となって宇宙を伝わっていくだろう、とも考えました。この波が重力波と呼ばれるものです。

最先端の科学記事を紹介している Nature の動画を、法政大学の私の研究室のゼミ生とともに、日本語でできるだけわかりやすく説明しているページには重力波の解説記事「ついに捉えられた重力波」が収録されていますので、関心のある方はぜひごらんください。


これまでは観測できないと考えられていた重力波を観測できるようになったことで、重力波を利用してブラックホールや中性子星などを研究する「重力波天文学」が誕生したわけです。まだまだ謎に包まれているブラックホールを明らかにするツールを人類が手に入れました。今後の研究成果に期待が持たれています。

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