2017年9月7日木曜日

太陽フレアの脅威

日本時間の 2017年 9月 6日 午後 6時ころ、太陽の表面で大規模な爆発現象が起こりました。「太陽フレア」です。ほとんどが水素でできている太陽は、中心核で水素からヘリウムに核融合を行うことで莫大なエネルギーをつくり出しています。それだけではなく、太陽は活発に活動しています。そのような活動のひとつが、太陽フレアです。

太陽の表面で起こる爆発現象で、巨大な炎が噴き上がるように見えます。太陽に限った現象ではなく、太陽のようなガスでできていて自ら光を放つ「恒星」に見られる現象です。太陽フレアのエネルギー源は現在も研究が続けられていますが、磁気エネルギーであると考えられています。

太陽は活発な時期と静穏な時期をおよそ 11年周期で繰り返しているのですが、現在の太陽は静穏な時期に向かっているところで、この時期に起こる大規模な太陽フレアは珍しいものです。さらに、今回は太陽フレアよりもさらに激しい現象である「コロナ質量放出」も確認されました。こちらは太陽から大量の陽子や電子など、電気を帯びた微粒子(荷電粒子)の塊が噴き出してくるものです。地球は巨大な磁石でもありますから、地球の周辺に磁場をつくり、太陽からやってくる荷電粒子の影響が地上に及びにくくなっています。しかし、あまりにも大量の荷電粒子がやってくると地球の磁場が一時的に乱されて、無線通信や送電システムに悪影響が及ぼされる可能性があります。

2017年 9月 6日(アメリカ東部標準時・日本時間では 7日)に、NASA のSolar Dynamics Observatory で観測された太陽。右下部分に見える明るい閃光が太陽フレア。このとき、コロナ質量放出も確認された。(画像:NASA/GSFC/SDO)


今回のコロナ質量放出は地球に向かっており、日本時間の 9月 8日の午後には地球に到達すると考えられています。残念ながら、現在の科学技術ではこれらの巨大な太陽フレアやコロナ質量放出からの影響を逃れる方法はありません。

現代社会は精密な電子機器で構成されています。電気を帯びた荷電粒子が流れ込むことで必要以上の電気が流れ、電子機器が壊れてしまう可能性も否定できません。2003年には、宇宙空間を飛行している多数の人工衛星が機能停止してしまったこともあります。

今回、場合によっては 1週間ほどにわたって影響が及ぶ可能性があります。なにごとも起こらないように祈るしかないのが現状です・・・

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