2017年9月16日土曜日

宇宙で最初の星

ブログをお読みの方から、「宇宙で最初の星が巨大だったのはなぜ?」というご質問をいただきました。この話題は、NHKカルチャーラジオ「ミクロの窓から宇宙をさぐる」で、宇宙で最初に輝いた星について説明したことについての質問です。

宇宙で最初の星は、当時、宇宙に存在していたガス雲が現在よりも巨大だったため、大量のガスが降り積もり巨大な星になった、ということが答えでしょうか。

ここでいう星とは恒星のことで、太陽のようにみずから光り輝く星です。恒星のもとはガスや塵(ちり)でできたガス雲です。もちろん太陽もガスや塵から生まれました。太陽は今から約 50億年前に生まれたと考えられていますが、宇宙で最初の恒星はいつ生まれたのでしょうか。

これは現在も研究が進められている問題で、いくつか学説がありますが、宇宙が誕生してから約 2億年後に最初の恒星(これを「ファースト・スター」と呼びます。特定の 1個の星を指しているわけではなく、このころに次々と星が生まれるようになったと考えられています)が輝き出しました。

宇宙の最初のころ、どのような元素が存在していたかというと、ほとんどが水素です。このころ宇宙に存在していたガス雲は、とてつもなく巨大だったと考えられます。巨大なガス雲は、やがて重力のはたらきによって少しずつ収縮して行きます。その中でより収縮した「芯」のところに恒星が生まれます。ガスがまわりから供給されれば、どんどん芯に向かってガスが流れ込んで行きます。現在も、銀河の内部やガス星雲の内部では星が誕生していますが、現在のガス雲は宇宙初期のガス雲に比べると小さいと考えられます。現在の宇宙では、いろいろなところでガスが収縮し、分裂してしまっているためです。

ファースト・スターが誕生した頃は、収縮するガスが大量に存在していたために、巨大な星がつくられたと考えられています。

恒星がどのように生まれ、輝く続けるのかに関心のある方は、国立科学博物館のこちらのページをご覧ください。

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