2016年6月1日水曜日

太陽の黒点

 これまでのブログで紹介したとおり、太陽には黒点と呼ばれる黒いシミのようなものがあります。このシミは周囲より温度が低いために黒く見えるものです。黒点は太陽の磁場がつくりだします。太陽が活発に活動すればするほど黒点の数も多くなり、長い期間に増減を繰り返します。およそ 10年周期と言われています。

1610年から2000年までの太陽黒点の経年変化 (C) NASA

 黒点の数の増減を見出したのは、ドイツ人のハインリッヒ・シュワーベでした。彼は1826年から 1843年まで太陽を観測し、その黒点の数を記録したのです。その後、彼の研究はベルン天文台のルドルフ・ウォルフの関心を引き、継続して観測が行われました。実はシュワーベは太陽の黒点に関心があったわけではなく、当時存在すると考えられていた惑星バルカンを探していたのだとか。

 最近の太陽黒点はどのような変化を示しているかは、下の図でわかります。青い線は太陽の北半球の黒点数、赤い線は南半球の黒点数、緑色が合計数です。現在の太陽活動は極大期(ピーク)を過ぎたところで、これまでの変化の傾向と変わりありません。

黒点相対数の変動 (C)国立天文台

 黒点は太陽のどこにでも出現するわけではありません。太陽の北緯 40度から南緯 40度までの間に多く見られます。私のところにも太陽を観測するための専用の器材がありますので、関心のある人は声をかけてください。

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